● 最古の物資資料・バズィクル絨毯
パズィルィク絨毯(部分)
絨毯が織り始められたのは、今から約3千年前とも5千年前ともいわれています。その根拠は、高度に発達した技術で織られた約2,500年も前の絨毯が現存しているからです。1949年、ロシアの考古学者セイゲル・ルデンコは、南シベリアのアルタイ山中で、遊牧民マッサゲタイの王墓と思われるパズィルィク古墳を発掘。偶然にも氷に閉ざされていたため劣化を免れた紀元前5〜4世紀頃のものと思われる約2m四方の絨毯を発見しました。そのデザインは、中央部にロゼットを充填した格子文、5重のボーダーが取り囲み、騎馬人物像やダマジカ、空想上の動物グリュップスなどの走獣文が巡らされているというものです。その製作技術は今日のものと変わらない高度なもので、閉鎖型・左右均等結び(俗にトルコ結びと呼ばれている)が用いられていました。また、ルデンコはその数年後、パズィルィク渓谷の西約180kmのバシャダル古墳でさらに密度の高い織りをもつ絨毯の断片を発見。こちらは開放型・左右非均等結び(俗にペルシア結びと呼ばれる)で、放射性炭素年代測定法によると、パズィルィクの絨毯より、さらに130〜170年遡るものでした。これらの絨毯の存在が、絨毯の起源の古さと共に、その複雑さを私たちに提供してくれることとなりました。
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