1.紡ぐ spinning
糸を紡ぐ遊牧民の女性
糸を紡ぐ遊牧民の女性
ギャッベ(ギャベ)の故郷は、南ザーグロス山系一帯です。夏は涼しい山の中腹でテントを張った夏営地を拠点に羊に草をはませ、冬は山を下りて暖かい場所に移動するという移牧生活の中でギャッベの絨毯は織られています。ギャッベの絨毯づくりは、まず、この大自然の中で羊を育てることから始まります。自分たちが飼っている羊の毛を刈取り、絨毯の原料となるウールの糸に紡いでいきます。carding梳く(すく)―spinning紡ぐ(つむぐ)―plying撚る(よる)、この作業で毛糸が完成されます。刈り取った原毛は、まず繊維をほぐすために、手か櫛のような毛すき道具を使って梳かれます。そして紡錘(つむ)を使って手で紡いでいきます。紡錘は紡錘車とも呼ばれ、先が細くなった木製か鉄製の棒と弾み車という2対の翼のようなものからなっています。これを回転させながら地面につくまでの間に羊毛繊維をねじり引き伸ばすことによって糸にします。紡がれた糸は次に撚られて強度をつけます。一人の女性が紡ぐ標準的な量は、一日に約150グラムといわれています。紡ぎ終えた羊毛すなわち毛糸は、次にさまざまな色に染められます。染めの工程は複雑で、技術と経験を要する作業となります。かつてはそれぞれの遊牧テントで染められていましたが、需要の増加と安定した品質の商品供給から、いまでは染め工場でまとめて染色が行われるようになりました。各家族から集められた毛糸は、工場で選別され等級に分けて保管されます。
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